田中です。

 

アンケートの質問に答えました。
ぜひデザイン制作の参考にしてください。

 


Q1:ほかの似たようなデザインと差をつけたい時はどうしたらよいのでしょうか。


差をつけたい目的によって具体的にやれる事は変わると思いますが、大まかに言うなら

「そのジャンルの一般的なデザインのバランスに対して変更を加える」

という事になるかと思います。

 

バランスを変える事のできる要素は様々ですが、影響が大きいのは文字サイズのコントラストの取り方や余白の取り方、配色、書体使い辺りでしょう。

 

差をつけたい場合にはその目的があるはずで、それはそのデザインが伝える商品の特徴などに根拠がある事が多いです。

「この商品は他の商品より高品質・高価格なので、他のデザインよりも高級感を出したい。」

というような形で差をつけるはずなので、一般的なそのジャンルで使われるデザインのバランスよりも高級感が表現できるデザインバランスにする、という形になるかと思います。

 

それが例えば、

他の商品よりも手に取りやすい親しみやすさを表現したいのか、

男性向け、女性向けである事を表現したいのか、

子供向けである事を表現したいのか、

などによって具体的な表現バランスの変更方法は変わるでしょう。

 

そしてその判断をする為には、バランスをどう変えれば印象がどう変わるのか、というデザイン上の知識が必要となリます。

 

また「他のジャンルのデザインバランスを取り入れる」というテクニックも大変有効です。

その場合も「目的」を踏まえないと、どのデザインバランスを取り入れるべきかの判断がつかないと思いますので、デザインの知識が必要となるのは同じです。

 

そして多くの場合、敢えて

「デザインで差をつけよう」としなくても、

その商品の特徴が正確に伝わるように作ろうとすれば

「自然と差が生まれる」

ようにも思いますので、敢えて差をつけようと頑張らないというのも一つの考え方です。

 

もう一つありそうなケースとして、

ポートフォリオに載せる自作自演のサンプル作品を作る時に、他のデザイナーと差をつけたい場合

などがあるでしょうが、その場合は他の似たような作品とデザインバランスで差をつけようとするよりは、

「自分の好きな制作ジャンルだけを並べてみる」

といったような形で差別化を測った方が良いかと思います。

 

同じジャンルの同じような商品のデザインを作った場合、プロが作ると大差無いものが出来上がる事が多いでしょう。

そんな中にあっては

「何でも上手に作れます」

というよりは

「自分はこういうジャンル、作風が好きで、すごく作りたいです。」

というある種感情的な主張をした方が、差は出やすいと思います。

その辺りを総合的に考えてみると良いかと思います。

 


Q2:意外性は狙わない方が良いですか?


意外性を狙う必要のある場面というのがパッとは思い付かないのですが、商品やサービス、オファーそのものに意外性があるのであれば、それを正確に表現しようとする事で、必然的に表現にも意外性は生まれるかもしれません。

 

「意外」というのは

「今まで知っていたものと違うけど、なるほどその方が良い。」

というような事だと思いますので、それをデザインでやろうと思うと

「従来のデザインバランスとは違うんだけど、むしろこちらの方がしっくりくるように感じる。」

という表現を作る事になると思います。

 

まずは、従来のよくあるデザインバランスを正確に再現できるだけの技術を土台として、

よくあるデザインバランスから意図的にバランスを離していって、

もっとしっくりくる別のバランスにまとめる。

という事ですから、それがご自身に出来ると思うならやっても良いでしょう。

 

出来なさそうなら、とりあえずは従来のデザインバランスの正確な再現を目指した方が良いと思います。

大抵の場合、まずそれが出来ていない事が多いので、それがちゃんとできるだけでほとんどの目的は達成されるのではないでしょうか。

 

とはいえ何事もチャレンジする事が大切です。

 

最終的には

「やってみたいなら、やってみる。」

という事で良いと思います。

 

仕事だと失敗できないのでチャレンジの割合はほどほどにしておいた方が良いかもしれませんが、練習で作るなら好きに作って良いはずです。

まずは面白いと思えるものを楽しく作りましょう。

 


Q3:独学で勉強はやっぱり難しいのではないか不安です。
会社に属して学ぶのが一番いいのか、学校に通って学ぶのが一番いいのかどう考えれば良いのでしょうか?


独学で勉強する方がもちろん難易度は高いです。

学校に通って学べるならその方が良いかもしれませんし、会社に属して学べるならそれが良いという事もあるでしょう。

 

まず、独学で問題になりやすい事として、

  • 自分が今どういう状態にあるのかを客観的に判断する難しさ。
  • 自分が何を目指して学ぶべきかを自分で判断する難しさ。
  • 自分が学びたい事がどうすれば身につくかを自分で判断する難しさ。

などがあると思います。

 

それら3つは言わばスキルを習得する上での「現在地・目的地・経路」と言えるものですが、

それを未経験の人が自分で判断する場合は、デザインスキルが習得できるまでの

「地図」

を持っていない場合が多い為、その難易度はどうしても高くなります。

経験者は過去の経験から既に「地図」を持っていますので、その辺りの判断がしやすいです。

 

ですので、独学の場合は特に「経験者に質問できる機会」が確保できると効率が全く変わってくると思います。

 

もう一つはモチベーションの問題です。

独学でモチベーションが維持できないような事なんて、別にわざわざやらなくても良いのでは?

というマッチョな意見もなくはないでしょうが、いずれにせよスキルが身に付くまで行動が継続できるだけのモチベーションが保たれている必要はあるでしょう。

 

ちなみに、モチベーションを保つ上では環境づくりが重要ですが、その中でも「仲間づくり」は特に効果的だと思います。

仲間がいるのといないのとでは、やっぱりモチベーションが変わります。

 

ただそれは、必ずしも自分よりスキルや経験のある人である必要はなくて、一緒に学習を楽しめる友達であったり、作ったものを喜んでくれる依頼者であっても良いと思います。

 

だから独学の場合は特に、なるべく早く仕事にしてしまうのがオススメです。

身近な人に何か作ってあげると良いでしょう。

 

格安で、あるいは無料で引き受ければ、何かしら仕事は見つかるものです。

学校や会社に属して学ぶ場合、それらの環境は必然的にある程度整うので、その手段が取れる場合はそれが良いかもしれませんが、独学でもやりようはあるという事です。

 

独学だからと、不安に思う必要はないと思います。

 


Q4:自分で素材写真を撮影する場合も、被写体を大きくするのではなく、後で切り取りができるように広めに撮影した方が良いですか?


デザイン素材として写真を用意する場合は、被写体の周囲にトリミングの余裕を持たせておいた方が使いやすいケースが多くあります。

しかし一方で、デザイン上被写体を大きく扱いたい場合は解像度が必要になる事がありますので、被写体を大きく写して解像度を確保しておきたいという事も考えられます。

 

ですので、両方撮影しておいた方が良いと思います。

 

ただどちらか一つ選ぶとするなら、やはりトリミングの余裕を持たせておく事を優先した方が、その後のデザイン制作上は使いやすいかもしれません。

 


Q5:無料素材はダウンロード先を書かずに勝手に使っていいものなのですか?


各素材サイトの規約によります。

ダウンロード先を書かずに使って良いサイトも多いですし、書くことを義務付けているサイトもあります。

 

ただ、ダウンロード先を書く必要のある素材サイトは分かりやすいところにその旨記載がある事が多いです。

ダウンロード先を明記するような記載がなさそうなサイトであれば、大丈夫だと思われます。

 

いずれにせよ、なるべく規約を確認してから素材を使用する事が望ましいでしょう。

 


Q6:お客様から指定された非常に使いにくい写真があるのですが、イマイチな素材でもそれっぽく見せられる方法はありますか?


限界はありますがおそらく方法はあるかと思います。

 

何がどの程度できるのかについてはケースバイケースなので、実際の素材を見てみないと何とも言えませんがPhotoshopなどが使いこなせるようになると結構な修正ができるようになります。

もちろん、写真によってはどうしようもないものもあるでしょうし、修正の技術レベルによってもどれくらい修正できるかは変わります。

 

ただ、方法があるかないかで言えば、多くの場合何かしらやれる事はあるので「ある」と思います。

 


Q7:デザイン構成のラフ絵を書くことは必要でしょうか?


ラフを描いた方が作りやすいという人は多いので、作りやすいなら描いた方が良いと思います。

 

僕は描かない事が多いですが、それも時と場合によります。

僕の話で言うなら、ロゴなどを作る時は描く事が多いです。

 

ラフを描いてから作ってみるのと、描かずに作ってみるのを両方やってみて比べて、やりやすい方法で取り組むと良いと思います。

 


Q8:デザインの用語などまだ知らないことが多いので、何で検索すればよいのかがわかりません。
ルールや素材などを検索するときの「検索ワード」を教えてください。


具体的にどんな問題を解決したいかによって必要な検索ワードは変わりますので、具体的な検索ワードをお答えする事は難しいですが、大体の場合はそのまま検索すれば良い事が多いように思います。

 

デザインの用語が知りたいなら「デザイン 用語」

デザインのルールが知りたいなら「デザイン ルール」

素材を調べたいなら「素材 調べ方」

などでしょうか。

 

まずは思いつく言葉で検索して、検索結果から答えに近そうな言葉を見つけて、その言葉をさらに検索する。

というような感じで、連続してキーワードを繋いでいくように検索をかけていけば、大抵の答えには辿り着けると思います。

 

一回の検索で答えに辿り着こうとするのは難しいかもしれません。

 

最初に検索する言葉は自分の思いつく言葉を入れるしかありませんが、検索窓に「英会話スクールのバナーに合う背景素材」みたいな感じで、自分の疑問をそのまま入力しても、案外それなりに検索結果が出てきたりします。

「英会話 スクール バナー 背景 素材」とかにしてやると、検索エンジンにとっては少し親切かもしれませんので、それくらいの配慮をしてやれば後はキーワードを辿っていくだけで良いでしょう。

 

検索のスキルは何をする上でも活用できるスキルです。

人生の自由度が変わると言っても過言ではありません。

 

練習して損はないと思います。

 


Q9:ルールに該当するかもしれませんが、著作権などがちょっと気になります。 フリー素材ならば問題ないかもしれませんが、似たようなデザインだと同じデザイナーから苦情が、来ないかとか。


それは参考にする時の、そのやり方によります。

もちろん、一見してトレースしたと分かるようなパクり方をすれば問題になりかねません。

ただ、レイアウトのその構造を参考にしたり、配色を参考にしたりという分には問題無いはずです。

レイアウトと配色を同じデザインから参考にすると、いかにもパクった感じになるので、レイアウトと配色はそれぞれ別のデザインから参考にした方が良いでしょう。

レイアウトだけ、あるいは配色だけを参考にしても、一見してそれと分かるような特徴的なデザインを参考にするとかであれば、パクったと思われる事もあるのかもしれませんが、実際にはそういう事態は起こりにくいはずです。

あと、「参考にする」はアリですが「無断転用」はナシです。

デザインに使われるロゴや写真を勝手に流用する、あるいはパクなどすると即問題になりますから、そこは分けて考えるようにしてください。

参考にするのはあくまで「レイアウト」や「配色」「装飾」などに限定しましょう。

 


Q10:講座内でMSPゴシックではなく、MSゴシックを源真ゴシックPと比較していたのは、深い意図があるのでしょうか?聞き漏らしてますか?


シンプルに、MSゴシックと源真ゴシックPの方が、字体と字詰めの両方が違うので、フォントを変えた際の差が分かりやすかったからで、特に深い意図はありません。

字体の違いと字詰めの違いを個別に説明したい場合であれば、おっしゃる通りMSPゴシックと源真ゴシックP、あるいはMSゴシックとMSPゴシックなどで比較したと思いますが、今回は「フォントを変えるだけで印象が変わる」という事を伝える事が目的でしたので、違いの分かりやすい比較対象を採用しました。

 


Q11:良い素材と悪い素材って、あるのですか?使えるか使えないかで決めるものですか?


何を基準とするかによりますが、デザインに使えるか使えないかで決めるということで良いかと思います。

例えば写真素材なら、写真全体としては使いにくい素材でも、部分を切り取って使えば使えるというケースもありますし、写真として見栄えがする素材でもテーマが具体的過ぎたりして素材としては使いにくいというケースもあります。

ただ多くの場合、解像度の低い写真素材などは使い道が少ないので、悪い素材という扱いになる事は多いでしょう。

権利的に使用を許可されていない写真なども、良い素材とか悪い素材とかではなく、使えない素材にはなると思います。

 


Q12:例えば美容院の広告やチラシの場合、モデルの写真を掲載していますが、そこのお店のお客様の写真を使ってると思っていましたが、みんなそうではないのですか? 全く知らないモデルの写真を載せている事もあるのか?と言う疑問が湧いて来ました笑


実際の美容院の広告やチラシの場合は、その店のカットモデルさんの写真を使われているのが一般的だと思います。

全く知らないモデルの写真を使うケースというのは、僕の知っている限りでは見かけた事はありません。

ただ、デザイナーのポートフォリオ作品には、写真素材のモデルが使われる事も多いです。

 


Q13:5つ以上のルールはどのようにすれば知ることができるでしょうか?


Googleなどで「デザイン ルール」で検索すればたくさん情報が出てきますし、本などもたくさん出版されているので、少し調べるだけでも簡単に知る事はできます。

ただ、逆に「情報があり過ぎて」何をどれくらい覚えれば良いのか、何から覚えれば良いかの判断の方が難しいかもしれません。

僕もデザインを教える講座をしておりますが、その講座ではたくさんあるデザインのルールの中から優先順位の高いものを選び出し、覚えやすく使いやすい形に体系化してお伝えしています。

後日ご案内致しますので、そういった話にご興味があるようでしたらぜひ参加をご検討ください^^